トイレの逆流は、一度経験すると二度と起こってほしくないと思うほど不快で厄介なトラブルです。日頃から少し気をつけるだけで、この逆流リスクを大幅に減らすことができます。最も重要な心がけは、「トイレに流して良いものといけないもの」を正しく理解し、それを徹底することです。トイレに流せるのは基本的に「トイレットペーパー」と「排泄物」のみです。トイレットペーパーは水に溶けやすいように作られていますが、一度に大量に流すと詰まりの原因になります。特に節水型トイレは一度に流れる水の量が少ないため、より詰まりやすい傾向があります。必要以上に多くのペーパーを使わない、分けて流すなどの工夫が必要です。絶対にトイレに流してはいけないものはたくさんあります。代表的なものとしては、ティッシュペーパーやキッチンペーパーです。これらは水に溶けにくく、排水管の内部で形が残りやすいため、詰まりの大きな原因となります。また、生理用品やオムツ、おしり拭きシートも、吸水性が高く膨らむため排水管に引っかかりやすく、強力な詰まりを引き起こします。タバコ、髪の毛、ペットのトイレ砂、食べ物の残りカス、ビニール片、小さな子供のおもちゃなども詰まりの原因となります。これらの異物は、絶対にトイレに流さず、必ずゴミ箱に捨てる習慣をつけましょう。トイレの近くにゴミ箱を設置しておくと便利です。定期的なメンテナンスも逆流予防に効果的です。市販のトイレ用洗浄剤(スタンプタイプや液体タイプなど)を定期的に使用することで、便器や排水管の内部に付着する汚れや尿石の蓄積を抑えることができます。ただし、これらの洗剤はトイレットペーパーや有機物の分解には効果がありますが、異物による詰まりを解消する効果はありません。また、週に一度など決まった頻度で、便器にバケツ一杯程度の水を勢いよく流し込むことで、排水管の奥に溜まりかかった汚れを押し流す効果が期待できます。この時、洗剤などは入れず、水だけを流してください。便器の排水口の穴(フチ裏など)が尿石などで塞がれていると、水の勢いが弱まり詰まりやすくなることがあります。ブラシなどでこまめに掃除することも大切です。