水道修理マスター：プロのヒントとテクニック

排水溝から水が上がってくる現象は、ほとんどの場合が排水管内部の詰まりによって起こりますが、時として意外な原因が潜んでいることもあります。一般的な油汚れや髪の毛、食べ物のカスなどが原因ではない場合、どのような可能性が考えられるのでしょうか。一つに、排水管自体の問題が挙げられます。長年使用している排水管は、経年劣化によって内側が錆び付いたり、ひび割れが生じたりすることがあります。こうした劣化箇所に汚れが溜まりやすくなり、詰まりを引き起こすことがあります。また、排水管の勾配が適切でなかったり、施工不良によって排水管が途中で下がっていたりすると、水がスムーズに流れずに滞留し、詰まりや逆流の原因となることがあります。特に古い建物では、排水管の劣化や施工方法に問題があるケースが見られます。建物の構造に関わる問題としては、共用排水管の詰まりが考えられます。特にマンションやアパートなどの集合住宅で、複数の部屋の排水が合流する共用排水管が詰まると、自分の部屋の排水溝から水が上がってくることがあります。この場合、自分の部屋でいくら対処しても根本的な解決にはなりません。他の部屋でも同様のトラブルが起こっている可能性が高く、建物の管理会社や大家さんが対応する必要があります。共用排水管の詰まりは非常に厄介で、専門的な知識と機材が必要となるため、個人で判断したり対処したりするのは困難です。複数の排水溝（キッチン、風呂、洗面所など）で同時に水の流れが悪くなったり、逆流したりする場合は、共用排水管の詰まりを疑う必要があります。屋外の排水システムに関連する問題も、意外な原因となり得ます。例えば、敷地内の排水管が地中の木の根っこによって圧迫されたり、根が排水管の隙間に入り込んで内部で成長し、詰まりを引き起こしたりすることがあります。また、雨水マスや屋外の排水溝に泥や砂利、落ち葉などが溜まって詰まり、それが屋内の排水管の逆流につながるケースも考えられます。